戦略系コンサルティングファームのボストン・コンサルティング・グループ(以下、BCG)。
経営コンサルティング業界で世界一、二を争うファームで、非常に入社難易度の高い会社の一社として知られています。
そんなBCGでも、他のコンサルティングファームと同様に積極的に中途採用を行っています。
しかし、コンサルティングファームの選考内容については、詳しい情報を得るのが難しいというのが実情です。
当記事ではコンサルタントを目指す方の助けに少しでもなれればと思い、実際にBCGの中途採用選考を受けた筆者の実体験を紹介します。
コンサルタントになりたい方、BCGを受ける方は是非参考にしてみてください!
ちなみに、他コンサルティングファームの面接体験記はこちらをどうぞ!!
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の中途採用選考について
BCGの紹介とBCGの中途選考の体験記です。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)について
BCGは言わずと知れた世界的に有名なコンサルティングファームで、顧客の戦略策定をメインで支援する戦略コンサルティングファームになります。
マッキンゼー、BCG、ベインの3社をコンサルティング業界のトップファームとしてMBBと呼んだりしますね。
日本では、50年以上活動しており長い歴史があるため、日本を代表する多くの大企業の案件を手がける最強の戦略ファームになっています。
戦略コンサルティングファームではありますが、実行支援までサービスを拡げることを強力に進めており、それに伴い人員も拡大し、顧客常駐の案件もかなり多くなっているようです。
少し前まで数百人規模だった社員数が2020年時点で800人程度まで増えているので、かなり顕著に採用を増やしていますね。
また、digital BCGやBCG Degital venturesというデジタル系の組織も抱えており、実行支援とともにデジタル系案件が増えているようです。
戦略ファームの実行支援への転換やIT組織の拡大などはコンサルティング業界の流行ではありますが、BCGが業界の流れを引っ張っていると言っても過言ではありません。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の中途採用選考の体験記
ここからは、私の選考体験になります。
以下が私の場合のBCGの中途採用の選考フローです。
書類選考
↓
Webテスト(免除)
↓
一次面接
↓
二次面接
↓
選考終了(通常なら、あと1,2回程度面接)
ご覧の通り、2次面接でお祈りとなってしまいましたので、2次面接までの体験記となります。
以下で、各選考フローにおける詳細内容を見ていきます。
Webテスト(免除)
私の場合はエージェントの開催するセミナー(抽選)に参加したことにより、Webテストが免除になりました。
こういった面から、エージェントは非常に重要だと感じますね。
通常ですと、Webテストは一般的なSPIの試験のようです。
問題は簡単ですが、足切りラインは高いと思われますので、こちらの参考書でしっかりと練習してください。
一次面接
一次面接の概要は以下の通りです。
場所:日本橋室町三井タワー(BCGオフィス)
面接官:プロジェクト・リーダー(新卒BCG)
内容:一般面接10分、ケース40分、逆質問10分
合否連絡:2営業日後、二次面接の案内
面接の流れは以下の通りです。
一般面接(10分)
まずは一般的な1分程度の自己紹介と志望動機についての質問からスタート。
志望動機や自己紹介へ特にツッコミはなく、いくつかよくある質問をされて終了。
ケース面接(40分)
一般面接が終わるとケース面接に。
BCGのケースは最初に紙でお題を与えられ、面接官とディスカッションをしながら、少しずつ必要となるデータが与えられ、結論を導いていく形です。
与えられた初期情報から仮説を立て、その検証のために必要な情報を整理し調査を行う、というコンサルの仕事内容をギュッと詰めたような内容になっています。
私の場合の一次面接の問題は以下のようなテーマでした。
高級時計メーカーが、日本での販売においてディスカウントストアを活用しているが、ディスカウントストアを通じた販売から撤退すべきかどうか?
このお題に対して、初期的にメーカーの自信の情報や競合他社の情報などが与えられます。
そして5分ぐらいで分析を依頼され、「結論を導くには他にどんな情報が必要か?」ということを聞かれます。
ここでは、3Cなどのフレームワークを使いながら今ある情報を整理し、自分自身で必要な情報を伝えるとそれに関わる情報をが与えてくれます。
そして新しく与えられた情報を簡単に分析し、最終的な意見を面接官にプレゼンして終了。
実はあらかじめエージェントで過去問を見ていたこともあり、想像していた流れ通りに解答まとめることができ、面接官からは厳しいツッコミもなくあっさり終了となりました。
ケース問題が終わると時間が余っていたのか、「最近購入、または使用しているサービスで面白いと思ったものはあるか?」といった質問に。
最近利用した不動産のITサービスについて言及すると、「何でそのサービスが面白いのか?」、「そのサービスが何で流行っているのか?」といった疑似ケース的な質問に。
不動産業界の現状や顧客のニーズを整理して答えたところ、特に突込みはなく、ケース面接は終了となりました。
ここの部分は、しっかりとロジカルシンキングの勉強をしていたのが生きました。
ロジカルシンキングを鍛えるには、こちらの本がおすすめです。
逆質問(10分)
ケース面接でいい印象を残すことができたからか、非常に和やかな雰囲気で質問に答えて頂き、部屋の時間が来たところで終了となりました。
やはり有名ファームということもあり、逆質問に対する回答も非常に整理された形で解答してもらい、非常に優秀な方が働いている印象を受けました。
二次面接
一次面接に通ったので、次は二次面接です。
二次面接の概要は以下の通りです。
場所:日本橋室町三井タワー(BCGオフィス)
面接官:プリンシパル(総合ファーム出身)
内容:一般面接20分、ケース40分、逆質問10分
合否連絡:約1週間後にお祈り
面接の流れは以下の通りでした。
一般面接(20分)
一次面接と同様、一般的な1分程度の自己紹介からスタートし、志望動機や現職での業績といった一般的な質問を軽く深堀。
一次面接とは違い、厳しいツッコミがありました。
例えば、「BCGでは社会に大きい影響を与えられる」という話をした際には、「大きい影響ってどういうこと?」というように曖昧な言葉は定義をしっかりとするように、指摘が。
他にも、「コンサルとして成長するには、何が必要だと思う?」など、頭の使い方を問う質問を色々と浴びせられ、なんとか構造化して返答しようと、頭を働かせました。
やはり一般面接の解答も、しっかりと構造化し相手にわかりやすい言葉を心がける必要がありますが、正直対策不足でした。
ケース面接(40分)
一般面接が終わるとすぐにケースに移行します。
一次面接同様、お題を渡されてケースを考えるタイプで、お題は以下のような問題でした。
ある美容室が業績不振に陥っており、新しい店舗を出店するべきかどうか知人に相談され、アドバイスを与えなさい。
(若干、内容をうろ覚えです)
ケース面接は一次面接と同様に、最初にデータをいくつか与えられて解答をまとめる形でした。
店舗の賃料や客数、稼働率などの情報やその他の定性情報が与えられ、フェルミ推定的に計算をしながら応えを導きました。
定量情報、定性情報から総合的に出店を取りやめる、という方針を出しましたが、それに対しては「相談してきた知人が、どうしても出店したいという思いを持っていたら、どうやって説得するのか?」という、コンサルの仕事でもありそうな質問に。
もともと私自身が営業マン時代からの悪い癖が出てか、お客さんをうまくなだめるような、その場をやり過ごす曖昧な回答をしてしまい、面接官は納得していない様子で、ケース面接は終了に。
BCGは実行支援を打ち出していることもあり、入社するためには人に伝えて動かすという部分までできることを示す必要があるようです。
どこまでいってもコンサルタントはアウトサイダーですので、クライアントのためになることを、しっかりと伝え心を動かす力が必要です。
ここのあたりは、元BCGで、現ローランド・ベルガー会長の遠藤さんのこちらの本が、非常に参考になります。
この問題はエージェントの過去問で観ていながら頻出でなかったために、十分に対策ができていなかったというのもありますが、BCGに入社するには自分の力不足を大いに感じさせられました。
逆質問(10分)
逆質問については、しっかりと時間をとって答えて頂きました。
しかしケースのできがよくなかったためか、若干早く終わらせたそうな雰囲気が見られました笑
三次面接以降
前述の通り、私は2次面接で不合格となってしまいました。
エージェントの情報だと、この後も複数回の面接が続くようです。
1次マネージャー、2次プリンシパルと役職が上がって行きましたので、3次ではパートナークラスとの面接があったと考えられます。
パートナーとの面接は、志望動機の強さの確認などがメインになると思いますが、3次面接以降もケース面接が続くこともあるようです。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の選考を通じての所感と選考対策
ここからは、選考を通して感じた所感と選考対策についてです。
BCGの選考で感じた所感
特に印象に残っている話としては、以前よりジュニアクラス(マネージャー以下)が自分の専門分野を持つ年齢が下がっている、という話です。
プロジェクトマネージャーになる前には、ある程度専門性を持っている方が多いということでした。
日本の大手企業をクライアントとして抱えていますので、業界専門的な人材を増やしてそれぞれの分野のクライアントとの関係を深めたいということだと考えられます。
BCGにいる知人にも聞きましたが、今や日本で一番強いファームになってしまったため、そういった営業的な側面も強くなってきているようです。
そういう意味では、戦略コンサルタントになって、色々な業界のクライアントと関わりたいという場合は、BCGは適していない可能性があります。
BCGの選考対策
主にケース面接についてですが、BCGのケース問題は面接官が思い付きで出すものではなく、紙に書いたお題を考える形式で、ある程度パターンが決まっています。
そのため過去問を手に入れることができれば、ある程度は対策を練ることができます。
過去問を手に入れるのには、一番いい手段は転職エージェントのサービスを利用して情報を得ることでしょう。
特にコンサルティングファーム専門のエージェントには情報が集まっていると考えられますので、是非活用して対策をしてください。
しかし、私の面接の場合も同様に、面接官も志望者がケース面接の対策を十分に練っていることを知っていてか、ケース面接以外にも「それはなんでだと思う?」、「それって、つまりどういうこと?」といった質問で志望者の地頭を試してきますので、ケース面接以外にも十分にロジカルシンキング力を鍛える必要があります。
ロジカルシンキングには、まずはこの本を読みましょう。
ちなみに、BCGのケース面接の頻出出題内容については、以下のような問題があります。
高級文具メーカーのブランド戦略
乳製品メーカーのポーフォリオ戦略
文房具メーカーの販売戦略
美容院の出店戦略
他にも頻出問題はあると思いますので、エージェントに確認してみてください!
エージェントを活用するメリットについては、以下記事をご参照ください!
コンサル面接では必ずケース問題が出題されます
コンサルティングファームの選考ではケース面接が、必ずと言っていいほどあります。
そしてコンサル受験者にとっては、一番の難敵であると言っていいでしょう。
ケース面接を上達させるためには、まずは問に対する考え方や解答作成の型を身につける必要があります。
その解答の型を身に付ける上で鉄板ではありますが、「東大生が書いた~シリーズ」が最も適しており、おすすめです。
総合ファームのケースでは、こちらの本で十分な対策ができます。
戦略ファームを受験する場合は、議論対象の本当の価値や強みを深く分析して、打ち手を導く力を見せる必要があるため、ケースの練習を重ねたり、普段から目に見えるもので頭を働かせて、力を伸ばす努力がさらに必要になってきます。
コンサルティングファームに入ると人生変わります
私は事業会社からコンサルティングファームに転職して働いていますが、コンサルティングファームでは、魅力的な人や仕事が多く、今後のキャリアパスを考えても、大きく人生が変わります。
コンサルティングファームの選考はレベルは高いとは言われていますが、近年は積極的に採用を行なっており、決して特別な人でないと受からないというレベルではなくなっています。
選考を受けるだけならばタダですので、選考に通過してから悩めば十分でしょう。
興味があるならば、すぐにエージェントに登録して、一歩を踏み出しましょう!
他コンサルティングファームの面接体験記はこちらをどうぞ!!